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Change the world【ツイステ】

第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】




「わたしね、アズールくんにフッてもらいたいんだ。」


ヒカルがアズールに求めたものは、彼女がアズールに協力した対価として得るはずの、大切な願い。

しかし、その願いを聞いた時、らしくもなくアズールの反応は遅れた。

単純に、願いの内容がよくわからなかったからだ。

「……ふる?」

「うん、そう。」

「ふる…とは……、えぇっと……?」

順調に進んでいたはずの計画が綻び始める。
それもこれも、彼女の願いを聞いてしまったせいだ。

てっきり元の世界に帰る方法関連だと思っていただけに、アズールの混乱は凄まじい。
ヒカルが言う、“ふる”の意味すらわからなくなっている。

「フッてもらいたい」と言われたら、思いつく意味はひとつだけど、まさか、そんなはずもない。

僅かな可能性を否定したアズールに、ヒカルははっきりと、どこか吹っ切れたように苦笑した。

「アズールくんが考えている意味で当たってると思うよ。」

「いや、しかし……。」

アズールが考えている可能性は、恐らく違う。
だって、その予想が当たっていたら、ヒカルが自分のことを…――。


「わたし、アズールくんが好きだったの。」


爆弾は、予兆もなく、突然落とされた。

冷静になる時間を与えてもらえず、アズールの思考を木端微塵に弾け飛ばす。

「は……、え、なん……?」

口から出た声は意味を成さず、動揺のあまり位置を直そうとした眼鏡を誤って落とす始末。

「あ……ッ」

途端に視界がぼやけ、テーブルの上に落ちた眼鏡を慌てて探す。

「はい、どうぞ。」

先に拾ったヒカルが眼鏡を手渡してきて、礼も言わずにそれを受け取る。

なぜ彼女は、こうも冷静でいられるのだろう。

(やはり、僕の思い違い? そうですね、そうに決まっている……!)

でなければ、ヒカルが相談役を引き受けるはずがない。
これはただの、アズールが抱く願望だ。



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