• テキストサイズ

Change the world【ツイステ】

第4章 片恋コンサルテーション!【アズール】




ユウのことが好きだった。

過去の醜い自分の写真を見られた時、揶揄いもせず、馬鹿にもせず、受け入れてくれたユウに惚れた。

でも、受け入れてくれた人は、本当にユウだけだったのだろうか。


強引な手口で契約したにも関わらず、いつでも相談に乗ってくれたのは誰だ?

体調を崩すほどの失敗作を食べ、それでもアズールを責めなかったのは誰だ?

どんなに忙しくても欠かさず連絡を取り、夜更けでも早朝でも返信をくれたのは誰だ?

相談の枠を超え、アズールに温もりと快楽を教えてくれたのは誰だ?


彼女は、いつでもアズールを受け入れた。

泣き喚いても、格好悪くても、情けなくても、拗ねても、いつでもアズールを受け入れて、両手を広げてくれた。

今、この腕に抱きしめたいと想う人は誰だろう。

いつでも、いつまでも傍にいてほしいと願うのは、誰だろう。

アズールが欲しいと願う人の名前は……。


「ヒカルさんが、好きです。」

いつからだったのかは、わからない。
苦しみながら蹲る小さな背を見つけた時だったのかもしれないし、唇を重ねた瞬間だったのかもしれない。

ただ、はっきり言えることは、ヒカルを絶対に手放せないってことだけ。

「元の世界に、帰ってほしくない……。」

二度と会えなくなるなんて、考えるだけで発狂しそうだ。
何度だって名前を呼んでほしい、抱きしめてほしい、キスをしてほしい。

アズールの隣にいてほしい。

それらはすべて、叶わぬ夢になってしまうのだろうか。

悲嘆に暮れ、両手で顔を覆ったアズールに双子が寄り添った。

それぞれの片腕でアズールを抱き、耳もとでそっと囁く。

それは、慰めの言葉――ではなく。


「では、帰れなくしてしまいましょう。」

「そーそー。ヒカルちゃんを帰さなければいいだけじゃん?」

巻きつくように肩を抱かれたアズールは、目から涙……ではなく、鱗を落とした。



/ 426ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp