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永遠の恋〜信長の寵妃【イケメン戦国】

第115章 紀州動乱


元就がゆっくりと笑った。

「……なるほど。死に損ないが戻ってきたか」

信長は鼻で笑う。

「雑賀ごときに殺られるほど、俺は甘くはない」

「どうだかな。詰めが甘いのはお前の方だ、信長」

半歩後ろに下がり、元就はさっと左手を挙げた。

「撃て」

御所の塀の上に突如現れた兵達は火縄銃を構えていた。
火蓋が切られた十数の銃口が一斉に信長に向けられる。

耳をつんざく轟音とともに眩いばかりの火花と煙が辺りを満たす。

だが――

次の瞬間、信長の姿はそこに無かった。

「……なっ」

元就が目を見開く。

信長は既に床を蹴り、一直線に元就へ斬り込んでいた。

「遅い」

鋼が唸る音とともに鋭い斬撃が元就を襲う。

ガキンッ!!

咄嗟に受け止めた元就だったが、刀を握る手に衝撃が走り、強く押し込まれて足が床を滑る。

(重い…!)

信長の刃はまるで落雷のようだった。辛うじて受け止めはしたものの、すぐに斬り返すことはできない。

その時……

塀の上の撃ち手が再び火縄銃を構える。

だが…

「おやおや」

いつの間にか、その背後に影が立っていた。

「高所から狙い撃ちとは、無粋なことだ」

光秀は塀の上で舞うように刀を一閃させた。敵兵に引き金を引く暇さえ与えず、次々と切り伏せていく。

「くくっ……」

血飛沫を浴びながら、光秀は愉しげに笑う。
最後に残った撃ち手の喉元に刃が触れる。断末魔すら聞こえぬ内に光秀は刀を横薙ぎに一閃させた。

「覚えておけ。戦は早く動いた者の勝ちだ」



元就は、塀の上で繰り広げられる光秀の一方的な蹂躙を横目で見ながら小さく舌打ちをした。

「……チッ。狐め」

「どこを見ている?貴様の相手はこっちだ」

ギィンッ!!

信長の鋭い刃が再び叩き込まれる。
元就は体勢を崩しかけながらも、どうにか受け流す。だが信長は一切の間を与えない。

二撃、三撃。

重く、速く、そして容赦がない斬撃が次々と襲いかかる。

「どうした、元就」

信長が低く笑う。

「御所を占拠した割には、随分と余裕がないな」

元就の額に汗が滲む。息が上がり、自然と肩が上下してしまうのを気付かれぬよう小さく息を吐く。

(……速いだけじゃない。重い)

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