第12章 SN 7 奇病/切甘
S side
俺は少し前にこんな記事を見た、それは
天使病は最高潮の幸せを感じると完治するかもしれない
という記事だった。
和也くんを見たらそれを思い出した。
いつもどこか寂しそうな彼。冷たい部屋、俺が助けたいと思えた。
そんな時にガラス越しに彼と紙に文字を書いて話すようになった。
昔はニノって言われてたらしい。
その日から彼は自然な笑顔が増えていき初めてあった頃と同じぐらいに羽が縮んだ。
でも...そっからの発展は何一つなかった。
俺はどうにか助けたいと思ったが病室に毎日を通えるというわけではない。
そこから俺は5日ほど行けない日があった。
大丈夫だろうと簡単に思っていた俺はニノの顔を思い出しつつ久しぶりに病室に行った。
病室にいた彼を見た瞬間数秒前の記憶をすべて消したくなった。
やせ細り
羽は2mを軽々超えている、
そんなニノは俺の顔をみてすごく悲しそうな顔をした。
それを見た俺は脳の中で何かが切れた。
そっからなんて1つも覚えてない。
気づけば彼と同じベットで寝ていて彼の温もりを感じた。
ハッと起き上がり彼の背中に触れるとなぜか羽が消えていた。
彼の顔を見ると健康的な顔つきになっており、安心してまた寝ついた。