第12章 SN 7 奇病/切甘
S Side
俺は天使病の研究医だ。
いままで天使病を見たことすらなかった。
ネットで調べるしかなかった。
でもある日天使病患者がいるということで五十嵐国立病院に尋ねることとなった。
名前はたしか、和也。
俺はその天使病の治療法を探すため和也の元へ行った。
初めて見た時俺は、見惚れていたと思う。
強化ガラスの中のベッドの上にちょこんと座っていた。
横を向いていたけどその綺麗さは異常だった。
黒髪でよろけたシャツ。
真っ白で透き通った肌
背中から生えた羽はとても白く透明感がすごいとはこのことかと初めてしれた気がした。
不謹慎ながらあのままでもいいんじゃないかと思ってしまった自分を殴りたい。
俺が毎日通い始めてから10日がたったある日彼は貧血で倒れた。
そりゃそうだ、初めて見たときは40cmほどだったあの綺麗な羽は彼を食うようにどんどん大きくなって貧血で倒れた時には1mは越していたと思う。
そんな俺は彼にどんどん惹かれていった。