第4章 おいらの気持ち
ぴぴぴぴっぴぴぴぴっ
いつもよりだるい体を無理やり起こす
原因は知っている。
隣でスヤスヤと気持ちよさそうに寝ている奴のせいだ。
昨日の夜、母ちゃんが帰って来た後、予備の布団はないかと聞いたのだが、まさかの一つもなかった。
そのせいで、シングルのベットでこいつと2人、並んで寝なくちゃいけなかった。
しかも、櫻井の腕や脚が絡み付いて来て(言い方…)
狭くて、体がバキバキになっちゃったよ…
俺は抱き枕かよって!
とりあえず、こいつを起こさないと…
「おーい!起きろー」
いくら呼んでも起きない
しょうがない。
多少の申し訳なさを感じながらも、
櫻井の顔にビンタをした。
…んだけど、あと3cmってところで手首を掴まれて、
そのまま俺の体は櫻井の上に引き倒された。
「ちょっと、いくらなんでもビンタは酷くない?」
「ごめんごめん。全然起きないから…」
「それより、手離してくれる」
「許さない」
「えっ?ごめんってば。」
「じゃあ、どうやったら許してくれるんだよ。」
「俺のこと、名前で呼んでくれたら許してあげる。」
「はぁ?」
「名字じゃなくて、名前で呼んで」
「しょ、翔くん…」
「………かわいい//」
「これからずっとだよ?」
「うん…」
なんだか、お互い照れたまま1階に降りていった。