第4章 おいらの気持ち
「あら、智っ!こんなイケメン連れてくるなら言っといてよー。」
なんでこうなってんだよ。
下駄箱でバイバイすると思ったのに、一緒に帰ろうとしつこく付き纏ってきたから、しょうがなく一緒に帰ることに。
嫌がってるフリしてたけど、こんなイケメンと一緒に歩いていることへの優越感みたいなのがあって、まぁたまにはいいかな。なんて思ってた。
家の近くの駅に着いて、降りようとしたら後ろからの気配が。
「なんで降りてんの?…」
「なんでって、智くんのご両親に挨拶しようと思って。」
前言撤回…
「はぁ?会って何言うんだよ?!そもそも家来んな!」
「そりゃ、これからよろしくお願いします。って」
「なんのお願いしますだよ?!」
全面的に拒否してたら、いきなり腰を掴まれて、
ぐいっと引き寄せらせた。
「な、何すんだよ?」
「案内してくれないと離さないよ?」
そう耳元で囁かれる。
もう!俺が耳弱いことを知っていながら!
それは困る…
ここら辺はお喋りなおばちゃんが多いから、見られたらえらいことになる。
「…わかったよ。」
「だからさっさと離れて!」
そういうことで、櫻井の思惑通りになったことで
イケメン好きの母ちゃんはメロメロになり、嬉しそうに喋っている。
俺だけアウェイだぞ!
そんなことを考えていたら、母ちゃんがとんでもない爆弾を落とした。
「そうだわ!ご飯食べてかない?」
「えっいいんですか?喜んで!」
ちょっちょっちょっ…
あまりの急展開に頭がついていけず、どんどん話が進んでいく。
どうすりゃいいんだよー!