第44章 ホークス オリジン
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ベッドの上に座らされて壁に寄りかかり首に手を置くように言われる
「もう少し顔をこちらに」
そんなふうにカメラマンが言う姿が昨日の凛ちゃんを思い出させて心の中で笑ってしまう。
カメラの向こうを見る視線が柔らかくて甘いものになっていたと思い
表情や視線を鋭くさせる
「すみません…もう、大丈夫だと思います」
そう言うとカメラマンは撮影した写真を見にディスプレイの前まで歩いて行った
スタッフが集まりディスプレイをのぞけば全員が頷きあっさりとその一枚に決まったようだった。
「写真、さっきので大丈夫なんですが…一応何枚かとホークスさんのSNS用に撮影しますよ?」
そう言うと写真をパシャりと撮り始めた。
「まさかホークスさんが、キスマーク付けてくるとは思わなかったです…今までそう言うこと無かったんで、今日撮影出来たことすごい嬉しいです」
「すみませんでした、子供じみた傷だらけで…」
「いや、今日のテイストには合ってたんで…この間の雑誌良すぎたんで、超えろとプレッシャー凄かったんですが…良かったです」
「アハハ…大人の世界って大変ですよね?」
笑いキスマークを指でなぞる。その瞬間をパシャりと言う音が押された
ファインダーすら覗かずシャッターを切った姿が印象的だった
「…あの、オレ…個性がその人の思考が色で見えるんです…その…ホークスさん…今…ピンク」
そう言われて笑ってしまった。
見えてるなら隠しても仕方ない
「オレ、この子に恋してるんだよね…可愛くて仕方ないだよね…けど、言えないからこの跡も傷もメイクって事にしてくれますか?」
そう笑えばカメラマンは嬉しそうに“分かりました”と笑いながらシャッターを切っていた。
プロはどんな時もカメラを手放さないなと感心してしまった。
「(とは言え、荼毘に捧げて嫌われて、今日でサヨナラなんだけど…誰にも…触れさせたくないな…あー…学校なんて無くて、荼毘がいなきゃ軟禁出来たのに…)」
それを考えた事によってオーラの色が変化したのかカメラマンは俺から目を背けた。