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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第7章 【真紅の暴君】後編


グリムの魔法で青い炎が巻き起こる。


青い炎は、凄まじい勢いで薔薇の木を焼き尽くした。


ユウ
「今だ!!!」


私は、グリムを腕に抱えたまま、急いでその場に伏せる。


チラッと後ろを窺い見たら、エースとデュースとケイト先輩が一斉にマジカルペンを振る姿が見えた。


リドル
「!」


大がかりな魔法を使うには、相応に強くイメージする必要がある……暴走状態だって、その本質は変わらないはず。


私を串刺しにするために“使わせた”大がかりな魔法は、バケモノの動きを鈍らせ……次の攻撃を防ぐことを許さない。


3人の魔法が、リドル寮長に炸裂した。


リドル
「ぐッ……あぁああぁあああ!!!」


リドル寮長が、苦しそうに叫ぶ。


その声は、背後のバケモノが上げているように聞こえた。


やがて、その声も止む。


リドル
「…………」


ぐらりと、リドル寮長の体が揺れた。


ユウ
「あっ」


グリム
「ふなっ!?ユウ!?」


私は、グリムを置いて、リドル寮長の元へ駆け寄る。


倒れそうになる彼の体を、ギリギリのところで抱き止めた。


リドル
「ボクが……間違っていた……?」


まもなく、リドル寮長に取り憑いていたバケモノが消滅する。


暴走は、止まった……?


リドル
「そんなわけない、よね……」


リドル寮長は、泣きそうな声で呟いた。


リドル
「お母…様……」


ユウ
「っ……リドル寮長!」


ゆっくりと、リドル寮長の目が閉じられる。


ユウ
「しっかりしてください!」


今にも崩れてしまいそうなその体を、私は強く抱き締めた。


ユウ
「リドル寮長!」


リドル
「…………」


その時……突然、私の視界が歪み始める。


ユウ
「!?なに、これ……」


目眩い?何で急に……


目が回るような歪みに耐え切れず、私はギュッと目を閉じる。


──『ボクは、ずっと……』


気を失ったはずの、リドル寮長の声が聞こえた気がした。


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