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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第7章 【真紅の暴君】後編


「「「「ユウ!!/ユウちゃん!!」」」」


後ろから、みんなの焦ったような声が聴こえる。


エース、デュース、ケイト先輩、そしてトレイ先輩、ごめんなさい……


でも、魔法が使えない私には、この方法しか思い付かないんです!


私は、リドル寮長の前に立った。


リドル
「ユウ・クラシロ……」


ギロリと、リドル寮長が私を睨みつける。


その目は暗く、強い憎悪を孕んでいた。


ユウ
「リドル寮長……」


うう、目の前に立つとやっぱり怖い……


ユウ
「もう、やめてください……ハーツラビュルの寮長が、寮生を傷付けてどうするんですか!」


リドル
「黙れ……黙れ!!!」


リドル寮長は、トレイ先輩達への攻撃をやめ、私に手を向ける。


リドル
「『女王の激昂』」


ドッ


背後のバケモノが、私目掛けて薔薇の木を振り下ろした。


私は、なんとかギリギリ避けたけど……


ユウ
「っ痛……!」


少しかすってしまい、腕に数本の赤い線が走る。


リドル
「ボクに従え!!!死にたくないなら……答えろ!!『はい、リドル様』と!!」


ユウ
「……僕が何に従うかは、僕自身が決める」


私は、震える体を耐えながら、真っ直ぐリドル寮長の目を見つめた。


ユウ
「貴方には従えない……僕には僕の、守るべきルールがあるんだ!!」


リドル
「魔法も使えない役立たずが……このボクに逆らうか!!」


リドル寮長が、両腕を上へあげる。


エースを狙った時のように、たくさんの薔薇の木が彼の頭上へ集まった。


私は、ヒュッと息を呑む。


本当に、失敗したら死ぬかも……でも、逃げるわけにはいかない!


恐怖を振り払って、私は薔薇の木を見据えた。


リドル
「『法廷を立ち去れ』!!」


薔薇の木が、一斉に私に向かって飛んでくる。


逃げるな、逃げるな……逃げるな!!!


ユウ
「グリムーーー!!!」


私が叫ぶと同時に、背中にしがみついていたグリムが私の前へと飛び出した。


私はグリムをキャッチして、しっかりと支える。


グリム
「ふな゙〜〜〜〜〜っ!!!!!」


ボウッ!!


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