【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
背後のバケモノが、薔薇の木を掴んで持ち上げた。
リドル
「『女王の激昂』」
バケモノが、私達目掛けて薔薇の木を振り回す。
デュース
「避けろ!!」
みんなは、後ろに跳び退がって攻撃を避ける。
私も、それになんとかついて行った。
エース
「はぁっ!」
ビュルルル!
エースの得意な風魔法が、リドル寮長とバケモノを煽る。
デュース
「いでよ、大釜!」
デュースは、大釜を召喚してバケモノに落とした。
けど、バケモノは簡単に跳ね返してしまう。
再び薔薇の木が振り回され、私達は散り散りになって避けた。
エース
「こいつの魔力、底なしかよ!」
ユウ
「底がきたらアウトだよ!?」
そうなる前に止めなきゃいけないんだから!
リドル
「絶対に、絶対にボクが正しいんだ!!」
リドル寮長が、訴えるように叫ぶ。
リドル
「そうじゃないと、ボクは今まで何のために……!!」
トレイ
「リドル……!」
リドル寮長の言葉を聞いて、トレイ先輩の瞳が揺らいだ。
ケイト
「トレイ、集中して!気を抜いたら押し切られる!」
トレイ
「!すまない!」
グリム
「ふなぁー!オレ様の火が効かねえんだゾ!」
グリム達の攻撃は、全てあのバケモノが跳ね返してしまう。
デュース
「このままじゃ埒が開かない……アイツをどうにかしないと」
みんな、既にたくさん魔法を使って、明らかに疲れてる。
このままじゃ押し負ける……なんとかしなきゃ……
何か打開策はないかと、私は必死に思考を巡らせた。
ユウ
「……そうだ!」
グリム
「ユウ、何か思いついたんだゾ!?」
私はグリムに頷き、今思いついたことを伝えた。
そして、みんなを振り向く。
ユウ
「僕とグリムで、隙を作ります……!」
あの時と同じことを、もう一度やってみたら……と考えた。
エース
「ハァ!?」
ケイト
「ちょっ、ユウちゃん!?それはダメ……」
ユウ
「グリム、行くよ!」
グリム
「わかったんだゾ!」
グリムが、私の背中にしがみつく。
私は、エース達に止められる前に、リドル寮長に向かって駆け出した。