【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
リドル
「!」
エース
「ユウ!」
私がリドル寮長の前に立つと、リドル寮長は冷たい目で私を見据える。
リドル
「罰則もないルールなんか、誰も従わない!」
ユウ
「こんなの、罰則なんかじゃない……脅迫や拷問と変わらない!」
緊張も恐怖も飲み込んで、私は負けないように大声を上げた。
ユウ
「ルールを破っても、守っても、ハーツラビュルのみんなは自由を奪われる……そんなの、絶対に間違ってる!!」
リドル
「間違ってるかどうかも、全部ボクが決めることだ!!」
鋭く言い放った後……リドル寮長が、私に嘲るような笑みを向けてきた。
リドル
「そんな簡単なルールにも従えないなんて、キミは一体どんな教育を受けてきたの?」
ユウ
「は……」
リドル
「どうせ、大した魔法も使えない親から生まれて、この学園に入るまでろくな教育も受けられなかったんだろう。実に不憫だ」
カッと、顔に熱が集まる感覚がした。
デュース
「……テメッ……」
ユウ
「僕は……っ」
言い返したいのに、咄嗟に言葉は見つからない。
私が悔しさと恥ずかしさに俯いた……その時、
エース
「ふざっっっっっけんなよ!!!!!!!!!」
リドル
「え……」
ガッッ!!
リドル
「っ!」
ユウ
「!?」
──エースが、リドル寮長を“殴った”。
ケイト/トレイ
「リドルくん!?/リドル!?」
クロウリー
「ローズハートくん!?」
作戦にあった、殴るフリじゃない……
ユウ
「な……」
何やってんのーーーー!!??
ハーツラビュル寮生たち
「げっ……!寮長を殴った!?」
グリム
「右ストレートが綺麗に顔面にキマッたんだゾ!」
デュース
「エ、エース!?」
私は、エースの肩を掴む。
ユウ
「エース!アンタ何考えて……」
エースは、私の手を掴んで剥がすと、
エース
「あー、もういい」
いつもより低い声で、そう言い放った。
私に背中を向けてるから、エースの顔は見えないけど……その声からは、明らかな怒りを感じる。
エース
「寮長とか、決闘とか、どうでもいいわ」
リドル
「痛……え?ボク、殴られた……?」