【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
大釜に身を隠すことに成功したら、エースが風魔法を放って、リドル寮長が怯んだ隙にデュースが大釜を落として、リドル寮長の身動きを封じる……という作戦だった。
魔法はイメージで使うもの……魔法を使うには、エースもリドル寮長の姿を見なきゃいけない。
だから、エースが大釜から飛び出してから、魔法を発動するまでの一瞬が、一番の勝負所だったけど……甘かった。
リドル
「首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)!!」
ガガチャン!
デュース/エース
「うわああああ!!」
リドル寮長の方が、早かった。
エースとデュースの首に、再び魔法封じの首輪が付けられてしまう。
エース
「ぐ……っ、くっそぉ!あと少しだったのに!」
デュース
「これでも届かないのか……」
ユウ
「は、速い……」
リドル寮長は、デュースが直前に召喚した大釜に気を取られてたはずなのに……
その上で、エースとデュースに勝つなんて……!
クロウリー
「魔法の強さは、イマジネーションの強さ。魔法の効果を正確に思い描く力が強いほど、正確性も強さも増す。ローズハートくんは、ますます魔法に磨きがかかっていますね」
グリム
「ふな゙あぁ……レベルが違いすぎるんだゾ」
ユウ
「……でも……」
敵わないからって、諦めるわけにはいかない。
リドル寮長を止めるって、トレイ先輩に約束したんだから……覚悟だって決めたんだから!
グリム
「!」
私は、リドル寮長に向かって歩き出した。
リドル
「フン……何やら小賢しい作戦を立てていたようだけど、所詮は大したことなかったね。その程度の実力で、よくボクに挑もうと思ったものだ。恥ずかしくないの?」
リドル寮長の言葉に、エースとデュースが悔しそうな顔をする。
リドル
「やっぱりルールを破る奴は、何をやってもダメ。お母様の言う通りだ」
デュース
「くっ……確かに、ルールは守るべきだ。でも、無茶苦茶なルールを押しつけるのは、ただの横暴だ!」
リドル
「ハァ?ルールを破れば罰がある。そして、この寮ではボクがルールだ。だから、ボクが決めたことに従えない奴は、首をはねられたって文句は言えないんだよ!」
違う……
ユウ
「ルールだからって、何をしてもいいわけじゃない!」