【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
クロウリー
「では……レディ──」
学園長の手から、手鏡が放られた。
ガシャン!
クロウリー
「──ファイッ!」
鏡が割れた瞬間、エースとデュースは同時に動き出した。
デュースは左に大きく跳び退がって、エースは逆にリドル寮長へ向かっていく。
同時に倒されない為に、距離を取る作戦だ。
エース
「うらあああ!!!」
リドル
「!?」
エースが、リドル寮長に“殴りかかった”。
ケイト
「ええ!?エースちゃん何やってんの!?決闘で魔法以外の攻撃は反則……」
ユウ
「反則になるのは、攻撃した場合ですよね」
トレイ
「!」
つまり、殴るフリならやったって良い。
顔面目掛けて飛んでくる拳を、リドル寮長は咄嗟に後方に退がって避けた。
その瞬間を見極めて、次にデュースが動く。
リドル寮長とエースの方へ向けて、マジカルペンを振った。
デュース
「いでよ、大釜!!」
ドガッシャン!
デュースが召喚した特大の大釜が、リドル寮長とエースの丁度間に落ちる。
エースとデュースは、すぐさま大釜の影に身を隠した。
トレイ
「これは……」
グリム
「ユウの作戦通りなんだゾ!」
魔法は、テンションじゃなくイメージで使うもの……それはドワーフ鉱山で学んだ。
リドル寮長のオフ・ウィズ・ユアヘッドは、人にかける魔法だから……もしかしたら対象の姿が見えないと、イメージし辛いんじゃないかな?
そう思って、立てた作戦だった。
デュース
「もう一つ出でよ、大釜!」
デュースが、大釜の隣にもう一つ大釜を召喚する。
リドル寮長の視線がそっちに向いたと同時に、反対方向からエースが飛び出して、リドル寮長にマジカルペンを向けた。
ここが勝負所!!!
エース
「くらえ!特大突──」
リドル
「──首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)!!」
ユウ
「!!」
私は、目を見開いて、唇を噛む。
ガガチャン!
聞きたくなかった……重たい音が2つ、響いてしまった。