第110章 *終曲ディアソムニア*
指摘され初めて己の尾が無意識に服の間で揺れていたことに気づき、ふっと小さく笑うと、その心遣いに感謝しレイラへと視線を向けた
マレウス『では僕とも一曲踊ってもらうぞ。もちろん、拒みはしないだろう?』
『んふふ、しないよ。でもゆっくりお願いね』
シルバーから離れマレウスへの手を取り身を寄せると、繋がれた手を頬に当てキスとは少し違う意味合いで唇が触れた
マレウス『ではこちらへ』
『ん.......あ、リィさん、セベク』
リリア『なんじゃ?』
『後で2人も一緒に踊ろうね』
リリア『当然じゃ。楽しみに待っておるぞ』
セベク『お、お前がどうしてもと言うなら、仕方なく付き合ってやってもいい』
『ありがと』
ひらひら手を振りながらマレウスと踊りに行った小さな背中を見つめ、リリアは嬉しいような呆れたような気持ちでため息をついた
リリア『やれやれ。せっかく順番が来て舞い上がっとるというのに、目の前で他の男とのダンスの約束をするとは...鈍感なんか策士なんか分からん子じゃのう』
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『ツノ太郎綺麗だね』
マレウス『僕の装いはそんなに気に入ったか?』
『ん。綺麗でカッコいい。お姫様にそっくり』
マレウス『お前は本当に母に焦がれているのだな。もしお母様が今も生きていたら、きっとお前を気に入り、特別目をかけてやっていただろうな』
『そうかな?でも夢で会った時は"愚かな人間だ"、"目を見ると不敬だ"って言って、みんなと一緒に怒られちゃったんだよ』
マレウス『ふふ、それは見てみたかったな。リリアから聞いたが、あの時は銀の梟が城門前まで迫る危うい状況だったのだろう?ならば仕方のないことだ』
『ん、分かってる。
あ、あのね。お姫様とお別れする時に言われたことがあったの』
マレウス『なんだ?』
『えっと...』
"マレウスが孵ったら、お前が遊び相手になれ。黒兎ならそれくらい容易いだろう?
それと、わたくしが戻ったら覚悟をしておけよ。お前の首に枷をつけて一生飼ってやる"
『ーーーって』