第109章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(現実世界)*
セベク『嘘だ...嘘だと言ってください、リリア様ぁ!』
シルバー『いやです..親父殿、
親父殿おぉーーっ!!!うわぁああああ..!!』
最愛の父を亡くし、こみ上げる感情が一気に爆発する。動かなくなった体を抱きしめた慟哭の叫びが暗雲の空に響き渡る
『や、やだ..っ、リィさん、ねぇリィさん!!起きて、起きてよっ!!死んじゃやだ!!お願い、目を開けて!』
握る手に僅かに残った体温をかき集めるように握りしめる。しかし、それも段々と冷たさを帯び生気が失われていく
咄嗟に黒兎の匂いならまだ間に合うかもしれない、とすぐに発動し体を寄せる。それでも息をしていない相手にはもはやなんの効果もあるわけがなかった
『や..やぁ..っ!!リィさん、リィさん!!!』
『『『.......』』』
どんなに泣いてもその目が開くことはない。悲しみに打ちひしがれるシルバーとレイラに誰も言葉を発しなかった
マレウス『リ、リリア?そんな、うそだ...』
あのカローンたちでさえもただ黙って見守る中、おぼつかない足取りで近づくと、シルバーの腕の中で眠るリリアの死をハッキリと目の当たりにし一気に背筋が凍りついた
マレウス『僕が、この手でお前を...?
違う...僕は、僕はこんなことがしたかったんじゃないっ!!』
自らの魔法が彼の命を奪ってしまった。遅れて自覚した望むはずのない結果に、信じられない一方でこの手で殺めてしまった事実に全身が震えだす
マレウス『待っていろ、今すぐに傷を全て癒してやる。僕の力なら、その程度...
運命の歯車よ、....ぐぅっ!
もう一度!運命の...がはっ!!』
魔力増幅の角を片方折られた今、マレウスが何度強力な魔法を紡ごうとしても、魔力は途切れ反動で弾ける力に体が痛みだす
マレウス『はぁ、はぁ..なぜだ、どうして魔法が使えない!?』
リリア『.......』
マレウス『お前を失ったら、僕は、一体何のために...!』
胸に迫る絶望感の前に、もうマレウスは余裕などなかった。シルバーの腕に眠るリリアの手を必死に握り強く祈るが、魔法は発動せず触れる体温も冷え切っていた