第109章 *ツイステ7章 ー最終戦ー(現実世界)*
その目に映るは半壊の寮と石橋、ボロボロになったシルバーたち。そして彼らに囲まれる固く目を閉じて動かないリリアの姿
電子画面に映し出される心電図の波がその高さを失い始め、無機質な電子音もどんどんその感覚が長くなっていく。それは彼の鼓動がもうすぐ動かなくなるのを予兆させるものだった
グリム『おい、オルト!回復なんとかってやつでどうにかなんねーのか!?』
オルト『回復プロトコルはマレウスさんの魔法領域の中だから使えた技術だ!現実では使えない..!』
グリム『そんなぁ..!』
リリア『.....』
ピッ...ピッ......ピーーーーーー
横一直線になった心電図。鼓動を刻まなくなった無機質な電子音がやけに大きく聞こえた
オルト『対象、意識喪失、脈拍なし!医療班、至急応援願う...!』
『うそ...そんな...リィさ...』
シルバー『夢から醒めたらたくさん話そうって...目を開けてください、どうか...!』
その時、希うシルバーを光が包み彼の月光のような銀髪が、本来の色である太陽の陽を吸い込んだような金髪へと戻っていく
それはまるで染める力を失った色が剥がれ落ちるかのように
グリム『!!シルバー、おめー、髪の色が!』
ユウ『夜明けの騎士と同じ、金色に変わっていってる...』
シルバー『え...髪?あ、ま、まさか..親父殿の祝福が、消え...っ』
一房掴んだその色が毛先までしっかりと金に染められていくのを目の当たりにし、それが示す残酷な真実にシルバーの顔色がサッと青ざめる
祝福によって与えられた色がなくなるということは、それを与えた相手の力が完全になくなった証
リリアの死を意味するものだった