銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第18章 銀の鳥と仲間たち
「!海影!お前記憶が.....」
太刀川は咄嗟に張っされた言葉に驚愕する。
【蒼兄】は海影が幼い頃から風間のことをそう呼んでいたからだ。
『違う!記憶が流れ込んできたの.....そ、蒼兄の。』
「記憶を読むサイドエフェクト......それって灯影のサイドエフェクトじゃ!」
「もう1つのサイドエフェクトって灯影のサイドエフェクトのことだったんだ!」
「それよりなんで無茶をした。海影」
ギリギリギリギリっ!
『いひゃい、いひゃいっ!いひゃいれす!"双剣使いさん"!』
「また"双剣使いさん"って言ったなお前。」
『ヒィッ』
痛みに悶絶していると、遅れてレイジと諏訪が急いで止めに入ってきた。
「風間そのくらいにしてやれよ。一応そいつ怪我人だぞ。あまり乱暴にするなよ。」
『えっと、タバコの人。』
「諏訪だ。諏訪」
『諏訪、さん。』
「.....全く。あれほど無茶をするなと言ったはずだぞ。何度言わせればわかる。
いくら迅に死なない未来の確率が低いと言われたとは言え万が一死んだらどうするつもりだったんだ。それに敵に自分を売るなど!!殺されたらどうするつもりだったんだ!結果自分の心臓に刃を突き刺して!本当に死んだらどうするつもりだったんだ!」
『それは.....その....えっと記憶が無いのでなんともお答えできないと言うか......』
「はぁ。わかっている。さっきもその新しいサイドエフェクトとやらで俺たちのことを知ったんだろ?まだ言いたいことは山ほどあるが.....まずは、目が覚めてよかった。もう、こんな無茶はするな。何かあれば俺たちを頼れ、お前はただの九十九海影じゃない。ボーダーの九十九海影なんだからな。お前がボロボロになっていくのは俺としても辛い。」
「お前のおかげで助かった命もある。俺はそのひとりだ。だがお前が傷ついて居なくなるのはダメだ。死ぬのもダメだ。みんな無事でなきゃダメだ。この意味がわかるか?」
『.....はい。』
風間は頬をつねっていた手を離すと海影の頭に手を置きヨシヨシと撫でる。