銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第18章 銀の鳥と仲間たち
シュンとした海影は顔をあげると、口を開いた。
『蒼兄。諏訪さん。ごめんなさい。僕、みんなを.....』
「それは気にするな。」
『でもっ.....僕はっ.....』
無意識に出た言葉だった。
おそらく無意識の内に彼らに対して心を許し始めていたのかもしれない。
「......」
「無理に自分を許せとは言わない。だが、あの時のお前は......いや、今のお前もただ操られいるだけだ。だからそんなに自分を責めるな。今は記憶がなくて不安だろう。何も気にする必要は無い。思い出した時またこうして謝ってくれればいい。」
『えっと蒼兄。ありがとう.....ございます.....』
「もっと俺たちを頼れ。そんなに俺たちは頼りねーのかよ。」
『そ、そんなことないです!』
「風間や諏訪の言う通りだ。
お前は昔から、迅と同じで1人で抱える癖がある。
そこは直せ。」
『えっとレイジ...さん?』
「当たりだ。どうやらそのサイドエフェクトのおかげで多少はわかるみたいだな。」
『はい。』
「アイツに感謝しないとだな。」
『アイツって?迅のこと?』
「いや。お前の双子の兄にだ。」
『!』
「よし。話は終わったな。飯にするぞ。」
【はーい!】
それから後から来たガロプラ戦に関わった全員とランク戦していたメンバーが集まり、食事会が開かれた。
『......(こんなに賑やかな食事はいつぶりだろう。アフトクラトルじゃずっと1人だったからな.....ハイレイン一緒に食べてくれなかったし。)』
目の前に置かれたお粥に手をつけようとした時だった。
海影の動きがビシッと止まる。
そういえば利き手骨折してるんだった...
左腕は実験で麻痺が残ってるし、どうやって食べよう。
どうしたものかと迷っていると、目の前に置かれていたお粥が取り上げられる。
お粥を視線で追うとそこにはレイジが立っていた。
「利き手が使えないんだろ?それに左腕も。」
『なんでわかったんですか?』
「腕を使いずらそうにしてたからな。食わせてやるから口を開けろ。」
コクと海影は口を開ける。
するとレイジはフーフーとお粥を覚まして海影に食わせてあげる。