第8章 謀反
少しだけ休み、考えた末、私は秀吉さんの御殿へ向かうことにした。
「秀吉様が湯浴みからお戻りになるまで、お部屋で少々お待ちくださいませ」
「ありがとうございます……」
家臣の人に通され、秀吉さんの部屋に座ると、恐怖と緊張が少し緩んだ気がした。
(今、何時だろう……。随分、遠回りしたから……)
疲れていたのと、追手を恐れて表通りを避けたせいで、たどり着いたのは真夜中だった。
さっき見た、光景を改めて思い出す。
どう考えても、疑いようがない。
あれは…あの会話は……、信長様に敵対する誰かからの使者だ
(その使者と光秀さんは密会してた……)