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貴方は月のように 〜イケメン戦国 明智光秀〜
第8章 謀反
………
「……まったく、本当に困った娘だ」
鼻緒の切れた下駄を拾い上げ、光秀は早足に歩き出した。
「気に入っていたんだがな。『親切めいた指南役』という役柄は。……もう、これまでと同じではいられないか」
ある場所を目指して急ぎながら、指先にかすかな熱を感じる。
拭い損ねた涙で濡れているような気がして、光秀は虚空をそっと撫でた。
…………
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