第3章 アガット
「……!」
横。
俺の横。
すっごい…ソファいっぱい空いてるのに、俺の横。
しかも近い。
近い。
濡れた髪をバスタオルでガシガシ拭くと、テーブルに置いたペットボトルを手に取ってごくごくと飲み始めた。
一気に半分くらい飲み干すと、はあ~っと息を吐いた。
「やべ…おっさんくさ…」
そうひとりで呟いて。
俺の顔をちらりと見た。
「ぶっ…おっさんじゃん…」
「わあってるよっ!」
ちょっと笑ってくれて…
「俺もおっさんだからね…」
そう言って、手に持ってたボトルをごくごくと飲むと、むは~っと息を吐き出してやった。
「ぶぶっ…バカ…」
そういうと、また少し水を飲んだ。
部屋がしんとして…テレビもついてないから、外からの雑音以外、なんにも聞こえない。
なんか間が持たないから、テレビでもつけようかなってテーブルに置いてるリモコンに手を伸ばそうとしたら、翔くんにその手を掴まれた。
「…しょ、翔くん…?」
ちょっと頬を赤くして、そのまま前を向いてる。
こっちを見てないけども、照れてるのはわかった。
「手、繋ぎたかったの…?」
「…うん…」
ちょっと口を尖らせて…必死で照れに耐えてる。
か…かわいい…