第3章 アガット
とりあえず、財布を持って家を飛び出した。
家のすぐ近所にあるセブンに飛び込んで…
あっ…変装してくるの忘れた…!
…どうしよう…
そう思ってたら、知り合いのADくんがちょうど買い物に来て。
赤坂に住んでてよかった!
制作会社の近くに住んでてよかった!
拝み倒して、ゴムを買ってきてもらった。
紙袋に入ったブツを貰ったら、一万円握らせておいた。
もうやらしいことこの上ないんだが、この時俺はもう正常な判断ができなくなっていたんだと思う…
慌てて家に帰ったら、まだ翔くんはトイレに立てこもっているようだった。
腹でも壊しているんだろうか。
随分長いクソだ。
寝室に素早く紙袋を隠して、素早く風呂に入った。
熱めのお湯にして、シャワーを浴びた。
なんかもうゆっくり湯船に浸かるってこともできそうにない。
心臓と内臓がひっくりかえったように落ち着かない。
横隔膜も上がり気味なのか、呼吸が深くできない。
「落ち着け…落ち着け俺…」
シャワーを浴びながら、深呼吸。
何回かしてたら、酸欠になりそうになった。
お湯を浴びながら深呼吸をやってはいけない。
「いかん…マジで落ち着け俺…」
手早く身体を洗って、風呂場を出た。
脱衣所で身体を拭いて、バスローブを羽織って出たら、ちょうど翔くんがトイレから出てきたとこだった。