第3章 アガット
先が見えないから、せっかく立てた計画や予定は動き出したとしても、水の泡になってしまう可能性が高い…
いろんなアーティストのイベント中止の報を聞いて、どうこれから対処していけばいいか、悩みは尽きない。
それもあって、最近あまり集中できてなかったんだけど…
ぐしゃっと頭を掻いて顔を上げると、翔くんがタブレットを持ったまま、こっちを見てた。
「あっ…」
思わず赤面。
恥ずかしい…いつから見てるんだよ…
微笑んで翔くんは、ぐびりとビールを飲むと、またタブレットに目を戻した。
「…あんま、根詰めんなよ…」
「えっ…ああ…うん…」
「俺にできることは、フォローするから…」
「うん…」
ぐびっと飲んだチューハイがなくなった。
空になった缶をテーブルに置くと、もう一本。
プシュッとプルタブを上げると、ぐびっと一口。
3年前…大野さんが、衝撃発言をしてからというもの…
俺たちは、大揉めに揉めた時期もある。
その間、翔くんがみんなの意見を根気強く聞き取ってくれて。
そんで、活動休止っていう答えを導き出した。
調整役、本当に本当に大変だったと思う。
そういえば、ちゃんとお礼言ってなかったな…
「いつも…ありがとう…」