第7章 Coke+ポンパドール -Fseries-
なんだよ…嬉しいじゃん…
ちょっとニヤニヤしちゃいそうだったから、顔を伏せた。
「笑ってんじゃねえぞ…」
違うよ…
笑ってるんじゃないよ。
嬉しいんだよ。
「…雅紀だって、スマホの認証コード、おまえの誕生日なんだからな」
「えっ…」
「俺だけじゃないもんねー」
べーって舌を出して、また翔ちゃんはビールをグラスに注いでる。
「な…なんだよ…もう…」
今どき、顔認証とか指紋だろ…?
なんで俺の誕生日にしてんのさ…
「セキュリティー…甘い…」
「わあってるよ…でも長年の習慣、変えられねえんだよ」
「…もお…」
「わかってるよ。バカだって…俺も、雅紀もな」
「…先回りしないでよ」
「いつも先回りされるからな…」
「バカ…おばか…」
ふふっと笑うと、翔ちゃんは俺に向かって手を差し出してきた。
床に座ってたけど、ソファに座る翔ちゃんの隣に座って手を握った。
「でも…良いおばかだから、許す」
「へい…」
「でもセキュリティー心配だから、変えてね?」
「ま、そのうちな…」
そう言って俺の手をぎゅっと握ってくれた。
俺も、ぎゅっと手を握り返した。
「俺って…愛されてるね」
「あったりまえだろ…3人で全力で愛してるんだからな?」