第7章 Coke+ポンパドール -Fseries-
「…で?翔さん…?」
「え……?」
久しぶりに、翔さんって呼んでみた。
翔ちゃんったら、ちょっとびっくりしてて。
「誰の誕生日にしてたの…?」
「え…?なんのこと…?」
なんか、改まって呼んだせいか、浮気を問い詰められる旦那さんみたいにちょっとうろたえてるのが面白い。
「パスワード。スマホのパスワードだよ…ロック掛けてなかったわけ無いでしょ?」
「あ、ああ…」
「潤くんがこっそり解除できたんだから、顔でも指紋でもなさそうだし…誰の誕生日にしてたの?」
「…べ、別に…」
あら?
あらあら?
みるみる翔ちゃんの顔が真っ赤になっていく。
お酒のせいじゃなく…これは…
翔ちゃんは黙っちゃって。
またグビリとグラスのビールを飲んだ。
もうないのに、まだ飲んでる。
「…まさか、俺の誕生日…?」
「…うん…」
「えっ!?ほんとに!?」
「うん……」
やっとグラスのビールがないのに気づいた。
どぼどぼと缶からグラスにビールを手酌で注いで、またごくごくと飲んだ。
一気に飲み干して、それからまだ驚いてる俺を見た。
「…おまえの誕生日」
「翔ちゃん…」
思わず胸が…きゅきゅきゅって。