第12章 拾弐ノ型.焦がれる
某日蝶屋敷内
善逸side
煉獄さんとの任務から1週間。
俺達3人はまだ蝶屋敷で療養中だ。
煉獄さんはあの後すぐまた昏睡状態になった。
しのぶさんは、身体が傷の治癒に集中してる証だって言ってたけど
それでもやっぱり心配になる。
あれから炭治郎は落ち込みっぱなしだから尚更。
(炭治郎でも落ち込んだり、だめかもしれないって思っちゃう事あるんだな。そりゃそうだよな、煉獄さんみたいな鍛え抜かれた"音"がする人でさえこうなるんだ。俺達は見てるだけしか出来なかったし、悲しいし取り乱すよな。)
てくてくと蝶屋敷の廊下を歩きながら、あの日の事を思い出すけど
そりゃもう皆大騒ぎだった。
伊之助もギャン泣きで隠の人がげっそりしながら運んでくれたし、
途中で蛍清さんっていう鬼神の人にこれ以上煩くしたら斬っちゃうよ?って脅されたし。
最初やべえ人だって思ったけど、テキパキ隠の人に指示出したり率先して力仕事手伝ってるの見たら鬼神って案外優しい人達なのかなって。
だって蛍清さんを含め刹那さんが連れてた鬼神の人達は顔には出さないけど、煉獄さんの事をずっと心配してる音がしてた。
まだ目も覚めてない煉獄さんに声をかけたり、未来の約束をしてたり。
認めてるんだろうな煉獄さんの事。
曲者揃いって感じの鬼神達を纏めてる刹那さんもすごいよな。
刹那さん。
そう刹那さん。
めちゃくちゃ綺麗で、しのぶさんの可愛さとはまた違った美人だよな。
あれはご飯10杯食べれる。
きっと毎日煉獄さんの様子を見に来てるんだと思う。
あれから何度もここで会うし、炭治郎経由で仲良くなったんだけど後から柱って聞いて驚いたな、いや本当に。
だって全然気取ってないんだもん。