第2章 Ninomiya.
泣きながら走った。
泣いてるってバレたくないから
屋上に行った。
ここだったら授業中だし、
誰も居ない。
「....ふっ....うぅっ...」
いつもドキドキしてた
付き合おうなんて言われた日には、
もう嬉しくて照れくさくて
照れてるなんて気づかれて欲しくなくて
やめてよとか強がってた。
そうだよ。
イケメンなお兄さんは、
いつも子どもをあやすみたいに
優しさからそう言ってあげてるだけなんだ。
....二宮くんも、
そうなのかな...
「...お姉っ....さん!!!」
「二宮くんっ...」
どうして来たりなんかしたの。
からかってたんでしょ、
弄んでたんでしょ。
だったら、捜したりしないでよ。
バカじゃないの、期待しちゃうよ....
「なんで、なんで...」
「なんではこっちだよ二宮くん
心で笑ってたんだね、弄んでたんだ」
女の子は、
好きじゃなくたって。
嘘の『好き』には傷ついちゃうんだから!
貴方の『好き』は、
嘘じゃないって信じたいよ、信じたかった