第2章 Ninomiya.
すると二宮くんは『はぁ、はぁ、はぁ、』
と息を切らしたまま近寄って来た。
そして私の唇にキスをしてきた
思わず手を振りかざすと
「そう言う事!!!」
と顔を赤くして言った。
いつもの余裕そうな顔じゃなくて。
シャイな二宮くん。
ポロッと一粒、涙がこぼれた
「嘘じゃありません。
あれは、照れ隠しなんです
そのくらい、分かれよ馬鹿!!!
俺だって男なんですから!!」
もう真っ赤っかの二宮くんは
照れすぎて顔をそらす。
なんで、照れ隠しなんて、らしくないっ。
「結婚したいのは本当。
でも順番的に付き合うのが正当なら
付き合って下さい、お姉っ....愛里!」
いつも私をからかって
照れさせてた二宮くんが、
今度は自分が照れる番
「....うん...!!」
お姉さん、って呼ばれるのは
もうイヤなんだ。
隣の人、もイヤなんだ。
名前で呼ばれることに喜びを感じるのは、
つまりそう言う事。