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愛の囁きを。

第5章 Aiba.




『…(本当にいいの?)』


「もちろん!
 大丈夫、俺が居るんだからね!」




愛里は嬉しそうに笑って、
ありがとうと口パクで俺に言ってくれた。


「ほら。行くよ!」



俺と彼女が出会ったのは、大学。

大学内を歩いていたら
チャラい男の人たちに絡まれている
愛里ちゃんを見た。


話せないことを良いことに、
彼らは無理やり連れて行こうとしてたから



「やめなよ、嫌がってるだろ!」


と割り込んだのがきっかけ。

かなり泣きそうな表情に、
彼女はなんで声も何も出さなかったんだろう。


『…(ありがとう、助けてくれて。)』


メモ紙に綴られた言葉に驚いた。

わざわざ言葉を書くぐらい、
彼女は話す事に対して抵抗があるんだ…


『…(私は平川愛里。貴方は?)』



「俺は相葉雅紀。
 ねえ、良かったら話さない?」





なんでも良かった。
別にきっかけなんてなんだって。



あの日、
助けてあげたのも


ただカッコ良く見られたいだけの、
くだらない自惚れ。



『……(私、これから講義なの。またね)』



「そっ、か。うん、またね!」






君にとって俺は、
大学内の同級生なのかな


少しでも輝いて見えるのかな。





俺じゃ、閉ざした心を開けないかな。









「……俺、あの子のこと好きみたいじゃん…」









ただの一目惚れなんだ。
























 
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