刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
大倶利伽羅さんはそれ以上何も言わない。ただ、腕を緩めることもなかったから私はそのまま彼の胸に身を預けた。
「…ふふ…じゃあ、もう少しだけ」
「…ああ」
「ほら見ろ……結局主のほうも離れないなー」
大倶利伽羅さんに身を預けながら、確かにここは私の居場所だとそう思えた。彼が独りで背負ってくれた覚悟と皆が守ってくれた時間。胸がじんと温かくなり私はそっと目を閉じた。
…
…
「あら?主寝ちゃってるじゃん」
「本当だー!大倶利伽羅にくっついて幸せそうな顔して眠ってる!」
「大分飲んでたもんなあ」
ざわめきの中でそんな声が上がると、肩に感じていた温もりがわずかに動いた。
「…騒ぐな」
低く抑えた声。大倶利伽羅さんは眠っている私を起こさぬようそっと腕を回す。
「部屋に連れて行く」
「えー、でもこのままここで――」
「駄目だ。風邪を引く」
淋しがる獅子王に大倶利伽羅さんは短く言い切ると、私の身体を静かに抱き上げた。
「……重くないのかあ?」
御手杵が冗談めかして言うと、彼は一瞬だけ視線を向けて「軽い」と言い広間を出た。