刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第49章 刀剣男士の苦悩と決断
「裏切り役の反動、まだ続いてるんじゃないんですか〜?」
「主、逃げようとしても無理そうだよ?」
大倶利伽羅さんが明らかに舌打ちしかけて止めた。
「騒がしいからだ。あんたが今離れたら余計に目立つ」
「え?」
「それ、理由になってなくない?」
突っ込みが入る中、私はそっと体を引こうとしてみた。ほんの少し、本当に気持ち程度だったけど、ぎゅ、と即座に大倶利伽羅さんの腕に力がこもる。
「あ」
思わず漏れた声を皆は見逃さなかった。一斉に生温かい視線が私たちに向けられる。
「今の見た!?」
「完全に反射だよね!?」
「離す気最初からないやつ!」
広間に広がる笑い声。私は頬が熱くなるのを感じながら、大倶利伽羅さんを見上げた。
「伽羅ちゃん?」
「…うるさい、黙ってろ」
視線は合わないけど、いつもの低い声。でも大倶利伽羅さんのその一言で、今度こそ広間は静まり返った。
そして数拍の沈黙のあと、貞ちゃんと鶴丸が呆れたように口を開く。
「……あ〜、はいはい」
「これはもう、からかうのは野暮っていうものだなあ」
「主、捕まってるっていうより、守られてる感じだ」
後藤くんがそう言ってくすりと笑う。