第4章 食事
ああ、合コンの話をするのはまずかったのだろうか……なんとなく、不機嫌になってしまったような気がする彼を見る。
しかし、冷静に考えてみると……あれ、でも別にキバナさん……関係ない…よね。……やっぱ気のせいかな
すると、キバナさんはあまり興味なさそうにふーんと、言っただけだった。
やっぱり私の思い過ごしか…
「いい出会いがあるといいな」
「! はい。ありがとうございます!」
何かを含んでいるような表情で言っていた彼に気がつく事はなく、私は素直にその言葉を受け取っただけだった。
ーーー
食事を終えた私たちは、特に目的もなく人気の少ないところを主に歩いていた。バレた時がすごい大変なので、なるだけ人のいない道を歩くようにしている。
この後どうする、と尋ねられたので特になにも思い浮かばなかった私は街を適当に歩きませんか、という無難すぎる返答をした。我ながらつまらないと思うけれど、ただえさえ共に食事ができたので満足しているのだ。これ以上なんぞ求められない
「スズは……」
「…はい?」
雑談が少し途切れた時に呼びかけられ、返事をする
なにやら聞きたいことでもある感じだな……一体なんだろう
「あー……雑貨とか興味あるか?オレ様そこの店の主人と知り合いでさ、久々に顔も見たいから寄ってもいいか?」
「ああ、全然いいよ!行きましょう」
言い出す時が少し不自然だった彼に疑問を持つが、特に深くは考えず雑貨店に入店した
中に入ると、思っていたよりも広く、様々なポケモンたちの雑貨や、小さめの家具などが置かれていた。雰囲気も落ち着くテイストのものばかりで、すごく好みだ。
キバナさんは少し話してくると言い、店主らしき人物に会いに奥の方に行った。
その間私は近くの雑貨を物色する。
やはりこういう雑貨店などは何歳になっても楽しいな……と思い、気になった商品を手に取る。
あ、……ヴィーっぽいな。
その商品はチャームのようで、炎をモチーフにしており、キラキラと中には星の砂のようなものが入っていた
他にも別タイプをモチーフにしたもの、特定のポケモンをモチーフにしたものがあり、私はすっかりと雑貨店の虜になってしまった。
手には既に、炎モチーフのチャームを握りしめていた