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私だってヒーローに

第12章 私にできること


焦凍は慌てず、私の体を氷漬けにしてきた
「っ…!」
炎で…!
「無駄だ、このままだとジリ貧だぞ」
焦凍は浮いてても個性で遠距離攻撃ができる。その前に、一定の高さに浮かせて…
「…っ、許容量が…!」
私は、麗日のを真似しただけ。麗日が確か合計3t持てて…私は、自分の体重未満じゃないと駄目…身長差はそんなにないけど、焦凍の筋肉量や体格の良さから私より重いのは一目瞭然。
「っ…解除…」
スッと焦凍が落ちてくる。そのまま近づいてきて、やられるのを待っていると、頬に暖かい何かが当たった
「焦凍…?」
「…やられるの待ってるお前をやることなんてできねえよ」
そして、静かになったことでハッとする。焦凍の手が、頬に当たって…
「これTV流れてる!!!ていうか何だったら見られてるわ馬鹿!」
叫んで後ろに下がる。日本刀をもう一度構える
そこで、ドクン、と心臓が跳ねた気がした
『もうやめて降参して!本当の許容量が…!』
「気にしてられない!私だって、ヒーローが好きじゃないけど…私だって、ヒーローに!」
カランカランと、日本刀を落とす。
「…どうして?日本刀が、拾えな…」
『無理よ!貴方の個性は使いすぎると出したものに貴方だけ触れれなくなるの!新しく作っても同じよ!』
「…なら、焦凍に、直接」
『もうやめて!お願いだから…!』
「一位になって、焦凍に、勝って…!」
ガクン、と体の力が抜ける。そのまま言うことを聞かない体が倒れた。
「ガハッ…」
口から吹き出たのは血
『個性で他の個性使いまくったりするから!体が限界なのよ!』
「私、だって…」
でも、私の体は、倒れきってない。地面に伏してなんていない。だって、焦凍に支えられてるから
「っあ…グッ」
口の端から漏れ出る血が、限界を語っているのは自分でもわかってる。けど…
「古率さん行動不能!轟くん決勝戦進出!」
「…私の、分まで…」
「…こいつ、俺が運んで行くんで」
「え、あ…」
焦凍が、足をヒョイと持ち上げ、姫様だっこという形で抱えられる。あぁ、私…3位か
そこで重くなった瞼を閉じた
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