第1章 私は
爆豪side
クソ眼鏡が初日からクソうるせえ。後ろに来たやつがガタガタ椅子の音が煩かったから五月蝿えって言おうとしただけだった。けど後ろにいたやつは想像以上に俺を動かした。凛とした視線。何を考えてんのかわかんねえくらい真顔だった。だがそれが以上なまでに美しいと感じた。俺らしくねえが一目惚れってやつだとすぐに直感した。後からチラチラ見ても本読んでるばっかでこっちに気づきやしねえ。だが本を読んでるだけの表情も、何か綺麗だって感じまう。これまで見て来た元カノやらそこらの女とは核が違う。人混みの中にいても見つける自信があるくらいだった。オーラから違う。その表情で何を考えてるのか、何の本を読んでんのか。俺は今までにないくらいそいつの存在が気になっていた