第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
ゆりの発言にさすがのユウも冷や汗をかいた。
『……。』
(まあでも、安定の藤ヶ谷くんって感じだし……
憲吾くんもそこまでは気にしないか……)
ユウはそっとゆりのそばで聞き耳を立てた。
ゆりの発言から、憲吾はしばらく無言だった。
『……。』
「憲吾……?」
『こ、これは……汗』
(さすがの憲吾くんも、ちょっと嫉妬してそうだなぁ……
花火大会以来かな……まぁ、母さん曰く
憲吾くんも父さんそっくりって言うから無理もないか……)
『っ!
っいや、何でもない……ちょっと、一瞬だけ空を見てたんだ。
さっきまで、流星群が流れてたから……』
「そうなんだ!
今の空はどう?変わらず星がいっぱい?」
『あぁ、そうだな。
星は綺麗だ……さすがに、流星群はないけどな……』
「そっか……でも私も、見てみたかったな生の流星群!」
ゆりは外から見える夜空を見た。
『……ゆりちゃん、母さんの悪いところ出てるなぁ……汗』←
(憲吾くんきっとさっきから嫉妬してるってば!!
空見てたって話も絶対嘘でしょ!フリーズしてたんでしょ!?←
これでまた、藤ヶ谷くんの話題出さないでよね……)
そんなユウの心配をよそに、ゆりは会話を続ける。
「でもさっきはビックリしたなぁ笑」
『……?
何か、驚かせるようなことしたか?』
『っ!?』
(その話題はダメなやつぅぅぅ!!!涙)
「藤ヶ谷さんも、憲吾と同じタイミングで流星群見てたのかな?
電話終わった後綺麗に撮れたからって送ってくれたんだ、星空の写真。」
『……。』
『……ゆりちゃん、やっちまったよそれ……』
(ホントこの母娘はこういうとこダメ!!)←
『……そうなのか、
まぁ滅多に見れないからな……ここまで綺麗な星や流星群は……』
「だよねぇ……滞在中、流星群見れないかなぁ……」
『……さぁな、そっちの天気とか…わかんねぇし……』
『うぅ……汗』
(完全に拗ねてるよ……いや!さすがの憲吾くんもこれは拗ねるわ!!
ちょっとゆりちゃん、空気読めない藤ヶ谷くんみたいになってる!!←
もしこれが母さん達なら母さんが茶化して父さんがうるせーよって言って
終わるやつだけど、この2人にはまだまだ先のやりとりだよねぇ……汗)