第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
「今日の東京の夜空は、凄く綺麗な日だったんだね……
日本のみんなはいいなぁ……パパや他のみんなも見てたりしたのかな!」
『……さぁ、
俺には、わかんねぇよ……』
「……?
憲吾……?」
憲吾の少し素っ気ない感じにさすがのゆりも違和感を覚え始めた。
『なんだ?』
_ビクッ「っううん……何でも、ない……」
(っ何だろ……いつもより素っ気ないというか怒ってる……?
ちょっと怖いかも……)
『……ゆりちゃんのせいとはいえ、ちょっとかわいそうだなぁ…汗
しょうがない、憲吾くんに聞こえないように耳打ちしてあげるか……』
(この2人、ただでさえ直接会えることなんてほとんどないんだから
ここで喧嘩しちゃったらさすがにまずいよ……汗)
ユウはゆりによじ登りスマホと反対側の耳元でそっと呟いた。
「っ!?」
(ちょ、ユウ!?)
_ボソッ『憲吾くん凄い嫉妬してる、ゆりちゃんのせいだよ。
藤ヶ谷くんの話ししたから……』
「っ!?」
(っそんなつもり、なかったのにな……)
ユウの言葉にハッとするゆり、
無意識に憲吾を傷つけてしていたことにようやく気づいた。
「っ憲、吾……あの……」
(っどうしよ……さすがにこのタイミングで言えないよ、
嫉妬させてごめんとかだなんて……)
ユウの言葉があるとはいえ、本当に憲吾が嫉妬して素っ気ないのかはわからない。
もしかしたら退院したばっかりだから本調子じゃない可能性もあった。
だが……
「っ……」
(っだったら、わざわざ写真なんて送ってこないよね……
本当に疲れているなら、後日でもいいわけだし……)
『……。』
(さすがに、母さんみたいにはできないよなぁ……汗)
ユウが見守りゆりが言葉に詰まっていると
憲吾のほうから声が聞こえてきた。
『っごめん……ゆり……』
「ぇ……?」