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鬼滅の心得 【鬼滅の刃】

第3章 那田蜘蛛山



『……ここは、さっきまで山に…』

目の前に広がる縦横無尽な部屋
どこからか、琵琶の音が聞こえる

『…(鬼の気配!)』

静かに刀を構える絢迦だが
得体の知れない場所に身体は恐怖を
感じているのか少し震えている

「久しぶりだな…」

すぐ後ろで聞こえた声に一瞬息を忘れる

『き…ぶつ…じ……!?』
「無駄なことはよせ。
お前の刃は私にはとどかない」

伸びてきた腕に右手を絡め取られ
動きを封じられたかと思えば
痛みが首筋にはしる

『いっ…なにを』
「 あぁ…お前はやはりいい…」

そして感じるズキズキとした痛み
無惨は絢迦の首を吸い紅い華をさかしてゆく

「やはり稀血の中でもお前は
特別香りがいいな…」
『触らないでっ‼︎離してください!
(どうにか逃げないと、でも出口はどこなの?
闇雲に逃げても勝気がない)』

徐々に落ち着きを取り戻し周りを
見るが出口らしき物はない

「忘れたのか?
お前は私の物…逃げる事は許さない」

耳元で囁かれ、無惨の顔は見えないが
静かな声がまた恐怖をさそう

『貴方の物なんかじゃない…お父様とお母様を殺した事、絶対に許さない』

「許しなど求めていない…」

下顎を掴まれ上をむかされると
そのまま口づけをされる

『んっ…やめっ…』

突然の口づけに暴れていたが段々と深くなる
それに絢迦は力が抜けていく

『はぁ…はぁ…』
「ふん。こんなところか…」

何かを終えたのか無惨は離れ
まだ息が荒い絢迦を見下ろすと

「また時が来るまではお預けだな。鳴女」
『どーゆこと?答えてっ!!!?」

またしても琵琶の音が響くと
どんどんと周りの景色が変わってゆき
ついには足元の襖が開かれると
暗闇の中へと落ちてゆく




『いたたっ、那田蜘蛛山?戻ってきたの?』

次に目をあければ先ほど
消えた所へ座り込んでいた

夢かと思ったが首筋にはしる痛みが
先程の事は嘘ではないと知らせてくる

『また何もできなかった…』

仇である鬼舞辻に遭遇しても
何もできなかった己に落ち込むが
遠くから聞こえる悲鳴に我に返り
走りだしてゆくー…



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