第2章 山村での出来事
『もう、大丈夫。こーなった理由を
私に教えてくれる?昴くん』
「う、うん…おいらとにいちゃん
2人だけの家族なんだ。
そしたら他の村の人が……」
生贄にされそうになった少年は
名を昴と言った
「この村は鬼がきて、人を無差別に
襲っては食べてたんだ。それで
1週間に一度生贄を差し出すから
その人以外は食べないって約束を
鬼と村長が約束したんだ…」
そんな約束の中、村人達が
選んだのは他の誰でもない
身寄りのない子らだった
『なんて酷いっ……』
「おいら達の周りには
他にも家族がいない子供達が
住んでるんだけど……」
『その子たちもいずれ
鬼に差し出されるということね。』
コクンと静かに少年がうなずく
『でも安心して。私は鬼殺隊。
鬼を倒しにやってきたから』
「でも鬼は物凄く強いんだよ
絢迦お姉ちゃんじゃ敵わないかも…」
不安気な表情でこちらをみる昴
『昴くんが信じていてくれたら
私は絶対負けない……っ…!?』
言いかけた時に扉が開く
「今日のガキの匂いも美味そうだが
今回は稀血の女もかっ!!」
耳まで裂けた口からは涎が
ダラダラと垂れており
目は赤く血走っている
『あなたが子供達を食べていた鬼…
絶対に許しません!!』
静かに立ち上がると鬼へと向き合う