第2章 山村での出来事
夕方になり辺りも暗くなり始めた頃
絢迦は例の廃寺に様子を
みにきていた。
『微かに鬼の気配…』
寺の扉をあければそこは
辺り一面血飛沫がついていた
『っ!!これは!?』
それは明らかに鬼が人を襲った跡
『何人もの血の匂いが混ざってる』
すると外から声が聞こえてくるー
「今日も生贄を持ってくるの
俺たちの役目かぁ〜」
「しょーがねぇだろう、じゃなきゃ
鬼に喰われちまうんだからよ」
『(い、いけにえ?)』
耳を疑う様な言葉に息を潜める
「ほら!早くこんなか入れ!」
「鬼がくるまで大人しく待ってろ!」
そんな言葉と共に扉が開かれる
「ぐずっ……うっ…」
泣き声と共に入ってきたのは
まだ6歳くらいの幼い少年だった、
「へっ、じゃあな」
連れてきたであろう男2人は
立ち去ってゆく
「うぅ……にぃちゃ……ん…」
『僕?大丈夫だよ』
「ひいっ!!!!」
突然声をかけたのがよほど
驚いたのか固まってしまう少年
『怖がらせてごめんね、
お姉さんは人間だよ!君達を
助けにきたからもう大丈夫』
抱きしめ頭を撫でながら優しく
いえば理解できたのか途端に
「うわぁああああんーー、こわかったよー」