第29章 アルバーナへ
「お前ら先行け!!!おれ1人でいい!!!ちゃんと送り届けろよっ!!!ビビを宮殿までちゃんと!!!」
「……ルフィ……!!!」
どんどん離れていくルフィ。ずっと敵はルフィに任せてきた。だから今回も例外ではない。だけど……やっぱり離れていく度に不安にはなる。グランドラインに入ってからそうだ。バラバラになるとその度に何か背中に冷たい感覚を感じるのだ。
「なまえ!!!後は任せたぞぉ!!!」
「…え……………!!?」
な、な、何で任された!?私の弱さは言わずもがな、皆を守れるような力なんて生憎もってない。もってたとしても、まだ使いこなせてない。驚愕した顔でルフィを見るが…ニカッ、と笑って何も言わない。……あぁ、分かった。船長がいない間は、副船長の私がちゃんとしなくちゃいけないということか。
「…分かったよ……私がやんなくちゃいけないんだね………チョッパー!!!このままアルバーナへ進んで!!!」
「わ!!分かった!!!」
「おいなまえ!!置いてくのか!?」
ウソップが慌てたように私を見る。私だって置いて行きたくないよ。思いような責任が私に押しかかってるよ。でも…
「置いてく。私達は行かなくちゃいけない…」
「でもおめぇ!!」
「うるさい!!!」
「……っ!!」
私の一括でウソップは黙った。こんなに声を張り上げることなんてなかったもんね。いつもヘラヘラしてて、みんなの一歩後ろで観察してて。ずっと心配そうにルフィを見てるビビを見る。私だって心配だ。だけど…ビビが必要だ。
「ビビ。クロコダイルは…ルフィが抑えてる。“反乱軍”がアルバーナへ向かった瞬間に、この国の“制限時間(リミット)”は決まってるはず。“国王軍”と“反乱軍”がぶつかっちゃったらこの国は消える!!!それが止められる唯一の希望がビビだったら…何がなんでも生き延びなきゃいけない………!!!!この先ここにいる私達の中の……誰が…!!どうなってもね……!!!」
「……そんな。」
私達は自分たちでフォローする。ビビは自分のことだけ考えててほしい。私達は全員でチームだ。チーム戦は誰かが前線に立ってくれないとダメだから…その役割がルフィならば、私達は前に進まないと何も始まらない。