第29章 アルバーナへ
「ご安心あれ…前を見な!!」
「あっ!!いたぞ!!!おーーーーーーい!!!みんなーーーーーーーーー!!」
バカデカイカニが到着した。上にはチョッパーとマツゲが乗っており、これが移動手段というわけか。これもサンジの作戦だろうか、とサンジの顔を伺えば…
「……確かに指示を出したのはおれだが、こんなバカデケェの連れてこいとは言ってねェ。これはチョッパーの手柄だぜ、なまえちゃん。」
見透かされている。なるほど、アルバーナまでの足をチョッパーに探してきてもらってたのか。これまで姿が見えなかった理由が分かった。さすが動物の声も分かるチョッパーだ。中々こんな大きい動物?なんて見つからないだろうに。
「“マツゲ”の友達なんだ!!マツゲはこの町の生まれで、この辺には友達がいっぱいいるんだ!!エロいけど。」
「え、………エロい?」
「すごいっ!!“ヒッコシクラブ”はいつも砂に潜ってるからほとんど幻のカニなのに!!」
私の勘違いだろうか、チョッパーは平然とエロいと言ったぞ。なによりチョッパーの口から出たということに驚いているのだが、みんなそこには突っ込まないんだね。確かに目がいやらしいような感じではあるけど。
「よーーし、行くぞーーっ!!!出発!!!」
チョッパーがカニを操作して、私達が全員乗ったのを確認してから出発の号令を出した。出した瞬間、隣にいたビビが何故かいなくなった。落ちたのか?と思って振り返ると…腰に鉤爪があった。これはクロコダイルのものだ。
「待って!!!チョッパー止めて!!!」
「ビビ!!!あいつだ!!!」
「きゃ」
「おい!!ルフィ!!!」
咄嗟に手を伸ばしたが空を切る。すぐにカニを止めることができず、ビビが遠ざかっていく。すると、ルフィが飛び出し腰についてた鉤爪からビビを開放して代わりにルフィが鉤爪についていった。
「あのバカ。」
「ルフィさん!!!」
遠くではクロコダイルとミス・オールサンデーの影が見えた。2対1。不利な状況ではあるけど、ビビがいなくなるよりはルフィが行ったほうがいいだろうと思った。ちょっと酷いだろうけど、ルフィなら……って思いが強いのだ。