第29章 アルバーナへ
ウソップも私の考えてることがわかったみたいで、賛同してくれた。とりあえず、弱らせることが第一なので、サンジには半殺しにしてもらってから実行してもらうことにした。
ガチャリ…!
「オー……やるもんだ、ロウソク人間。」
「えへ♡え?ヘブッ!!!!」
Mr.3が造ってくれた合鍵は檻にピッタリで、やっと扉が開いた。サンジは用済みになったMr.3を最後のトドメと言わんばかりに蹴り飛ばした。
「急ごう、時間がねぇ!!」
「ええ、奴らがいったん行こうとした通路がきっとアルバーナ方面よ。……でも、あの通路にはまだバナナワニがたくさん!!!」
「……いや、もういないよ。」
ルフィとゾロがバナナワニを1匹残らず倒してた。私とビビが苦戦してた相手だというのに、檻から出て瞬殺だなんて。分かってたけど、悔しいものは悔しい。
「……私があれ1匹にどれほど……」
「いやおかしいのはあいつらの強さの方だから気にすんな!!」
落ち込んでしまったビビにフォローを入れるウソップ。しかし、通ろうとしていた通路からヒビが入って、私がもっとも恐れていたことが起こった。
「うわぁっ!!壁が壊れたァ!!!」
「アホォ!!やり過ぎだ!!!」
「通路まで壊れた!!脱出だ!!脱出するぞ!!!」
方向転換したウソップが大声で叫んだ途端、水が凄い勢いで入ってきた。逃げる際に水の勢いで石に頭を打ったウソップはナミとヒビが、能力者であるルフィはサンジが、そしてスモーカーはゾロがフォローしながら水面へ上がっていく。だから私は単体で泳がないといけないんだけど……しまったことに、足が石に挟まってしまったのだ。みんながどんどんいなくなる間、私はずっと石から抜こうともがいた。水を使って攻撃してた私が言うことではないが、本当に水の力っていうのはやっかいである。石をガンガン叩いて少しでもズレることを願ったが、ビクともしない。そんな溺れて死ぬなんて考えてなかった、それだけは嫌だ!!息が苦しくなってきた時、私は思い切ってここにある水ごと上にのし上げることにした。