第1章 ♥︎ ONCE ・ AGAIN ♥︎
「…で、何で揉めてんの?」
「それ、聞いちゃう?」
「じゃなきゃ解決なんて無理だろーが」
「ですよねぇ…」
「言え」
「かしこまり」
俺は、潤くんが一人で抱えていた書類を
半分持ちながら生徒会室へと戻る道すがら
さっきまでその生徒会室であったことを
事細かーく、説明してあげた。
潤くんはね、俺と翔ちゃんが恋人なのを
知ってる極少数の人なの。
だからいつも翔ちゃんと何かあった時は
潤くんに頼ってるっていうのが現状。
…手を繋ぐ時も実は潤くんのおかげで
解決したりしたんだよね。
今回もその恩恵に授かろうと思いまして。
なんの恥ずかしげもなく、翔ちゃんの
ヘタレっぷりを暴露してあげた。
「———、はぁっ、ったくさぁ」
「分かってる、分かってるんだよ?でも…」
「ニノが思い悩むのも分かるけど、翔さん…」
潤くんはあまりの翔ちゃんのヘタレぶりに
深い、それはもうふっかーい溜息を吐いた。
ま、そりゃあんなんじゃね…ぷぷ。
心の中で大笑いしてやろぉっと。ぷぷぷっ。
「俺も翔さんの行動には、頭に来るわ」
「でしょ?やっぱりそう思うよね?」
「ああ、これは1回痛い目見てもらわねぇと」
「さっすが潤くん!話しがはやい!」
「ちょっと俺に提案が———」
そう言われて、ずぃっと寄せられた顔に
耳を寄せて話を聞いた。
……潤くんの提案乗ってやろうじゃないの。