第1章 ♥︎ ONCE ・ AGAIN ♥︎
潤くんが生徒会室の扉を叩く。
そしたら響くヘタレ恋人の声。
潤くんと二人して目を合わせて
頷き合って中に突入する。
…翔ちゃん、覚悟してなよ。
「会長、頼まれた資料集めてきましたよ」
「あ、潤か…ってかずも居んのかよ」
「そこで潤くんと会ったんだもん」
「ニノが手伝ってくれたんで助かりました」
「そうか、それは良かったな」
まぁた無愛想な返事なんてしちゃって。
潤くんが自分よりもしっかりしてるって
心のどこかで分かってるんだろーな。
だから副会長にも任命したんだろうし?
そういう所には頭が回るのに…
なんで恋愛だと上手くいかないのよ?
ほんと不思議で仕方ないや。
潤くんと俺で、持ってた大量の資料を
テーブルの上にドサッと置いて。
潤くんが翔ちゃんに向き直った。
「…なんだよ、潤」
「いや、ちょっと言いたいことが——」
…きたきた。潤くんの悪い知恵!
俺も一肌脱いじゃうんだからね。
「…会長、俺———」
「ぅ、わっ!!」
俺の身体が急に引き寄せられたと思ったら。
「ニノのこと好きなんでもらって良いですか?」
「…は?」
……え、そんな事されたらキュンとしちゃうじゃん。