第1章 ♥︎ ONCE ・ AGAIN ♥︎
潤くんは、俺より学年が一個下。
二年生なんだけど、しっかりしてて。
…… 翔ちゃんより男らしいんだ。
これは本気でそう思ってる。
あんなヘタレ、俺の彼氏とか。
もう潤くんに乗り換えちゃいたいくらい。
「…くふ、くふふ」
「え、なに、怖い」
「あ、ごめん。ちょっと思い出し笑い」
頭の中で考えてた事が面白くて、つい
吹き出しちゃったら潤くんに聞かれた。
あ、学年下の後輩なのにタメ口なの?
って気になったりしたでしょ?
俺さ、厳しい上下関係っていうのが
なぁんか嫌いで。
いちいち、歳が違うくらいで気を使って欲しくないの。
このこと他のやつに言うとさ、
『変なやつ』って返ってくるんだけどね。
俺が気にしてないから良いんだあ。
潤くんと一緒に資料やらをかき集めて
それを手にまた立ち上がった。
「これ、どこまで持ってくの?」
「生徒会室だけど?」
「あ、あぁ…まぁ、そうだよね」
「なに? また揉めごと?」
「んー、そうなのかなぁ…?」
「さっき翔ちゃんのバカって……」
「聞かれたかぁ…」
「あんな大声で言ってりゃあな」
「うっ、まぁちょっと、色々と…」
「二人して何やってんだよ、ほんと毎回毎回…」
「おっしゃる通りです…」
資料を手に、図星な事を言われてしょげたら
潤くんがニヤリって不敵な笑みを浮かべてさ
俺に言ってきたんだ。
「解決出来るように協力してやるよ」
……ほら、こういう所怖いでしょ?