第2章 4月 出会い
部室に入ると銀髪が目に飛び込んできた。小春ちゃんが驚きの速さでその彼に飛びついた。
「蔵りん!」
「小春!浮気か!!」
「お~小春。ユウジも・・・って自分朝の子ちゃうか?」
「なんや真希ちゃん蔵りんと知り合いやったん?」
「知り合いとちゃうけど、朝はすまんかったな~。」
「大丈夫。気にしてへんよ~。」
にへっと笑ってみせると蔵りん?もふわっと笑ってくれた。
「ところで、テニス部になんか用か?」
「あっそうや、この子マネにどやろか~。かわええマネおった方がええやろ~?」
「なんや!!真希マネージャーやるんか?わいうれしいで。」
「えっ?まだやるわけじゃ・・・。」
はしゃぐ金ちゃんにはウチの声は届いてないみたい・・・
「まあ見学してから決めたらええよ。」
蔵りんがそう言って頭をなでてくれた。
「まあほかのメンバーも紹介したるからついてきいや。」
「ちょおみんな集まってくれへんか?」
蔵りんが召集をかけるとテニス部がゾロゾロ集まってきた。
「なんや白石。」
「なんですか部長。」
「全員おるな。自己紹介してもろてもええか?」
「えっ・・・あ、はい。小村真希です。」
「新しいマネージャーっすか。」
「え!!マジか。マネージャー??」
「やっぱりマネージャーなんか??」
促されて自己紹介したは良かったんだけど,みんなはマネージャーが決まったかのような反応・・・
(まだやるとはゆうてないんやけどな・・・どないしよ)
「お前ら騒ぐんやないわ・・小村さんまだやるとはゆうとらんて!!まあ見学してからやな。」
「なんや・・。」
「残念・・・。」
蔵りんのフォローのお陰ですぐに入部にはならなかった。あくまでウチの意見を尊重してくれるらしい。
「じゃあうちらも自己紹介しよか。俺は部長の白石蔵ノ介や。」
「副部長の小石川です。」
「はいはい!!わいは遠山金太郎や。」
「浪速のスピードスター忍足謙也や。」
「石田銀ゆいます。」
「2年の財前っすわ。」
「小春とユウジは知っとるな。」
蔵りんは白石君っていう名前なのか。
印象はそれぞれやったけど全員は覚えられる気がしない・・・。あとで小春ちゃんに聞いこう。