第2章 4月 出会い
「そないなことゆうたって。マネおらんくなって大変なんはウチらやで~。なあ見学にだけでも来おへん?」
マネージャーがいないなら見学だけだったら行ってもいいと思った。せっかく小春ちゃんが誘ってくれてるのに行かないのは申し訳ない・・。
「ん~・・・まあ見学だけやったら・・・」
「よっしゃ!きまりやね」
昼からの授業も無事に終わってみんなそれぞれの部活や委員会に行き始めた。よく見てみるとそのまま帰る生徒はほとんどいないようだ。
「真希ちゃん、行きまひょか」
振り返ると小春ちゃんとユウジくんがテニスバックを背負って待っていた。
「おん。いこか~」
「なぁ小春ちゃん、帰宅部の子って少ないな~。」
「せやな~、部活のために通っとる子も居るくらいやからな~。」
「ほとんど部活はいっとるで」
「そうなんや~」
みんな部活が好きなんだね。
テニスコートが見えてきたと思ったとき後ろからびっくりするような大声が聞こえた。
「小春~!!!ユウジ~!!!」
「あらぁ金ちゃん今日は早かったんやな~。」
「へへ!!えらいやろ~」
「アホ抜かせ!それが普通や」
「なぁなぁ小春、そのねーちゃん誰や?」
元気な彼に驚いていたら下からひょいと見上げられてまた驚いた。
「真希ちゃんちゅうんやで~。今日は部活を見学や」
「真希やな!わい、遠山金太郎や。金ちゃんって呼んでな。」
「金ちゃんやね。よろしゅうな~」
ウチの前で飛び回ってはしゃぐ金ちゃんは子犬みたいだ。話しかけでもするとしっぽが見える。
4人で一緒にテニスコートに入ると部室から黒髪のピアスを付けてる子と金髪の子が出てきた。
「あ・・・先輩たち遅いっすわ。」
「お前らが早いだけやろ。」
「まあ,早くSHLが終わっただけっちゅー話や。」
黒髪ピアスの子はちょっと怖い印象を受けたっちゅー話や。
あれ?金髪の子のがうつった。
「ところで、そっちの人誰すか。」
「ああこいつはな「小村真希ゆいます。テニス部を見に来たんやけど・・・」ちゅうこっちゃ。」
「まあええすわ。部長なら部室におります。」
「光おおきに。」
「・・・先輩キモイっすわ」
二人はロードワークにいくようで,二人を見送ってから部室に入った。