第2章 4月 出会い
「なぁに?ウチに気ぃでもあるの?」
男の・・・子?えっ!?女の子・・・
「ウフフ、口に出とんで?れっきとした男ですぅ。」
「へ?」
「アンタ可愛いわね。ウチは金色小春や。小春て呼んでな」
「小春浮気か!」
「こっちはユウくんやで。」
「一氏ユウジや!小春は渡さんで。」
「・・・小春ちゃんとユウジくんな~ウチは小村真希ゆうねん。」
「真希ちゃんね。よろしゅう~。」
「よろしゅう・・・」
ユウジくんは小春ちゃんを自分の方に引き寄せた。仲良しなんだね。
小春ちゃんたちと話してると担任の先生らしき人が入ってきてみんなそれぞれの席に散らばった。
「おはようさん。今日からこのクラスの担任になった中村や。まあよろしゅう。」
中村先生優しそうでよかった。
「ほんなら窓際から座席番号順に自己紹介していき。」
ウチは窓際だからすぐ回ってくる。
「次、誰や?」
「真希ちゃん、順番やで」
「ウチです!!。編入してきた小村真希ゆいます。仲ようしたってください」
ボーとしていたら順番が回ってきてたみたいで,小春ちゃんが教えてくれてびっくりして考えていたこと全部飛んでいってしまった。
「みんなしっとると思うけど金色小春ですぅ。今年もよろしゅう」
2限からは普通に授業があってあっという間にお昼になった。友達もまだいないので一人で食べようとしていたら小春ちゃんがお昼に誘ってくれた。
「真希ちゃん。お昼一緒に食べへんか?」
「ええの?」
「ええよね。ユウくん」
「小春がゆうならしゃーないな。」
「・・・おおきに小春ちゃん、ユウジくん」
机を引っ付けてお弁当をひろげ、3人で他愛のない話をしながらご飯を食べていると小春ちゃんが思い出したように一言。
「そういえば真希ちゃん部活は入るん?」
「全然決めてないねん。」
「せやったら、テニス部のマネせえへん?」
「なんでこいつやねん。」
「せやでウチには無理や・・・運動できひん。」
小さいときから運動は全然できない。ちょっと前までは『苦手』ということにしてたけど苦手じゃなくて『出来ない』ことを最近受け入れることにしたのだ・・・・。