第12章 2月 バレンタイン
明日は特別スペシャルデー、一年一度のチャンス~♪
世の中の男子たちが待ちに待っていたあの日。
部室の中は、不安と期待に満ちていた。
「明日なんてめんどいだけっすわ。」
「財前お前は真希ちゃんが居るからええな。」
「部長は貰うでしょチョコ。」
「俺は小春からさえ貰えれば何も要らんわ。」
「まぁ明日は絶頂な一日になるんやろな。」
「ホンマに嫌味な奴らやな・・・。」
上から財前、白石、ユウジ、謙也である。
そんな様子を千歳が見ている。
「なぁ、去年はどんくらい貰ったと?」
千歳の問いにその場にいた全員が去年のことを思い返した。
去年・・・・・は
財前、
「去年は靴箱とか机に入っとっただけで25くらいでしたわ。」
「他は?」
「直で持ってきたのは全部断ったんで。」
「なして。」
「返すん面倒ですやん。」
白石、
「数えとらんからあんまはっきり覚えとらんけど87個くらいやったかな。」
「しっかり数えとるやんか・・。」
「部長はお返しちゃんとしてそうすね。」
「当たり前や、お返しすることによって次の年につながるんやからな!!」
ユウジ、
「去年は10個くらいやったな。クラスの奴らに義理がいくつか。」
「小春はどぎゃんね。」
「聞いてやるな。」
「・・・・小春ぅ。」
(もらえんかったとか。)
謙也、
「・・・なんで俺が最後なん。4個や」
「不満なんか?」
「不満ちゅーわけやない。せやけどなんかな・・」
(これは本命ばっかのパターンたい。)
「ほんでお前は前ん中学でなんぼ貰うっとったん。」
「数えとらんから分からんたい。興味がなかばい。全部捨てちょった。」
((((実は自分が一番で貰てるやろ!!))))